年齢とコーディネート
ちょい悪オヤジとは何だったのか
今回は年齢とカラーコーディネートにつきまして。今更感が強いですが、少し前「ちょい悪オヤジ」という言葉が流行ったことがありました。もう言葉それ自体は死んでいますが、この流行が持って来たもの自体は全く陳腐ではなく、むしろ「頭の隅に覚えておいた方が良い」ものです。これは「年齢とコーディネート」に直結する問題だからです。
言葉と一緒に「ちょい悪オヤジ」が持って来たものまで死んでしまうと、とても寂しく思います。そこで今回は「年齢とコーディネート (ちょい悪オヤジは何だったのか)」につきまして。
年齢と共に「顔」のコントラスト比が下がる
図1. どちらが若いか
→ 加齢
人間で最も重要な部分は顔です。若い方から (^ ^) という記号を頂くだけで、それが「顔であるな」と直ぐに認識できます。つまり、人間は「顔」を特別なものとして見ていて、先ず真っ先にそこに目が行ってしまいます。
そんな「顔」ですが、図1ではどちらが若いでしょう。大抵の方は左が若いと思われるんじゃないでしょうか。日本人の場合、「白と黒との落差=コントラスト比」が高ければ高い程、自動的に若いと思ってしまいます。
顔のコントラストを構成する大きな要素は、髪,眉,瞳,肌です。この内、髪,眉,瞳は加齢と共に白くなりますが、肌は黒くなります。そのため、コントラストが落ちるということになります。
人の顔を使うのは辛いので、以下から帽子を例にしてみます。
紺ブレザーだと
図2. 黒と紺
帽子が灰色の場合と真っ黒である場合、どちらが「顔」に視線が行きやすいでしょう。恐らく、帽子が真っ黒の方だと思います。
左の方だと顔の印象まで薄くなり、視線が服の方に行ってしまいます。つまり、視線の比重が下に落ちてしまいます。
他方、右の方だと、色の濃い間にある「顔」が目立ちます。銀行員の方や営業関係の方が暗色で揃えるのは「落ち着いた/誠実な印象」であると同時に「顔が目立つ」という効果を無意識にも狙ってのことかもしれません。
特に紺(青系統)は、肌色(黄色系統)と補色に近い関係にありますから余計に顔が目立ちます。紺の系統で服をタイトにまとめるには、髪が黒い方が有利ということになりますね。
実際、暗色でスマートにまとめた場合、映画などを見ていても、欧州人よりも若い日本人/中国人の方がよく似合うと思っています。香港を舞台にした映画などでしばしば出て来る「黒々とした髪をポマードで固め、寒色/暗色スーツをスマートに着こなしたアジア系若手ホープ」のスマートさは、欧米人が出そうにも不可能な代物です。
淡い色でまとめたジャケットだと
図3. 水色と灰色
紺のブレザーが「真っ黒の帽子=黒い髪=若い方」に有利だとして、今度はジャケットの色合いが淡い場合はどうでしょう。
そうすると、真っ黒の髪の場合、重心が上、視線が髪付近に集まります。髪付近、つまり顔周辺です。他方、髪に白みがあると、全体のコントラストが低くなり「ぼやけた」印象になります。
全体がぼやけた印象になる服、これは余り良い効果がありません。寝ぼけた印象、ゆるんだ印象が強くなってしまいます。この場合でも若い方が有利です。若さがあれば、ただそれだけで無難な服を無難に着こなせてしまいます。
逆に若さを失うと「若い時と同じ感覚で無難な服を選ぶ」だけで野暮になりがちです。
何かアイテムを使う
図4. アイテムを使う
顔周辺のコントラスト比が下がっている場合、上のようなコーディネートでは非常に魅力に乏しくなりがちです。野暮、オジサンです。そこでアイテムを使ってコントラスト比を上げたり、明度/彩度を替えて比重を変更します。
眼鏡のフレームを色の濃いものに替えてみる。ネクタイだけを鮮やかなものにしてみるなどです。その結果、「ぼやけた」印象が薄れて引き締まって来ます。
今は髪の代わりに帽子を例にしていますけれど、勿論、帽子を被るというのも適切です。白みのある髪の代わりに暗色の帽子を使えば、若い方と同じようなコントラストを実現できます。帽子を脱ぐと元に戻る欠点はありますが、図3の右側と同じですね。
すみません…結論まで到達できませんでした。早いうちに続きを更新したいと思います。次回も年齢とコーディネートにつきまして。→続き