2012年秋冬 東京受注会

今秋も東京へお伺いすることになりました。真にありがとうございます。今季は生地傾向について昨年と大きな変化が少なく、そのためか欧州でもデザイン提案が多種多様になっています。デザインで好みを押すにも挑戦するにも、とても面白い流れになりました。

詳細

お持ちする生地、仕立て上がり見本

新柄では例年通り 伊: Elmenegildo Zegna、英: Holland & Sherry, John Cooper & Son, Scabal、仏他: Scabal, Dormeuil、日: 三星毛糸, 葛利毛織の全サンプルを中心にお持ち致します。伊: Loropiana は一部になります。

また、今季も昨季に引き続き、直接、羅紗屋さん/メーカーの倉庫に入らせて頂いて、面白そうな現物生地を探してきました。残念ながら昨季の爆弾のような生地は見つけられませんでしたものの、かなり幅広く面白味、値頃感のある生地を見つけることが出来ました。どうぞご覧頂けましたら幸いです。凡そ200種の現物生地をお持ちします。

お洋服の仕立て上がり見本としては、前回大変にご好評を頂いた Winton, 冬服スーツ仕立て上がりを見本としてお持ち致します。その他、コート, ジャケット類をお持ち致します。

日時, 場所

場所 東京国際フォーラム G609
東京都千代田区丸の内3丁目5
Tel 03 5221 9050, Fax 03 5221 9011
日時 13年9月21日(土) 11:00〜19:00
13年9月22日(日) 10:00〜18:00
仮縫予定 東京国際フォーラム G606
13年10月12日(土) 9:00〜17:00
13年10月13日(日) 9:00〜17:00

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今季の傾向

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組織としては、昨年に引き続き起毛素材 (サクソニー等, ミルドウース)、杢糸使い、光沢を殺したものが中心になります。色柄は英国調、レジメンタルなものが豊富です。特にチェックが強く、今季の主役と言えるかもしれません。

生地は全体として非常に伝統的で、暖かみがあり、穏やか/落ち着きがある/刺のないものが多いと言えます。そのため、特にスーツ地で繊維の質が重要になるかもしれません。繊維本来の柔らかい光沢の有無が質感を大きく左右する可能性があります。

デザインの大転換

今季はデザイン面での"転換期"です。細身+細い襟と言った「縦方向に直線的であることの強調」が影を潜め、「曲線的であること」が主流になりつつあります。昨年あたりから顕著でしたが、ほぼ転換が終わりつつある様です。

傾向としては大きく二つ。この曲線的であることを徹底して強調するもの、もう一方はそれをアレンジして現代的でいようとするものになるかと思います。後者は「試み」としての性格が強く、その結果、ディティル等に多様性が見られるようになりました。「これ」といえるような固定的な傾向は見受けられないため、非常に自由度が高くなっています。

テーラーの本領, 本懐、とても楽しい状況になりました。皆様のスタイル実現のお手伝いが出来ましたら真に幸いに存じます。