体型とシワ

「身体にあっていませんね」

既製服を買って身につけたとき、サイズ通りに服を買っているはずなのに、「身体にあっていませんね」と言われたことがございませんでしょうか。見ている方も違和感があるこその言葉なのですけれど、どこに違和感があるのかは分かりません。

デザインなのか、袖丈、ボタン位置のせいなのか、一体全体、どこに原因があるのか分からず、段々と嫌になってきます。服はサイズやバランスも重要ですが、他にも大事な点があり、それが体型です。

屈身体と反身体

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大まかな目安ですが、自然に立って、壁に背中をぴったりくっつけたとき、その壁から首の付け根までの距離、これが6cm前後に収まれば標準的な体型です。しかし、これが5cm以下だったり、7cm以上の方が見えます。

5cm以下になるということは、ちょど反ったような体型ということで、(1)を反身体と呼びます。逆に7cm以上だと、屈んだような体型ということで、(3)を屈身体と呼びます。

屈身体、反身体の方は、意外に多く見られます。別にこれは姿勢が悪いことを意味しません。筋肉の量に左右されることが多いです。体を鍛えられたスポーツマンの方は反身体に、事務方で細い方は屈身体であることが多いです。

輸入物だと更に厄介です。外国人の標準体は日本人の反身体になるためです。つまり日本人がインポート・ブランド商品を購入すると、体を鍛えている方以外、身体に合いません。インポート・ブランドは高価ですから注意が必要です。

体型とシワ - 反身体の場合

反身体では「胸囲に占める胸の長さの割合が大きい」ことになります。そのため、背中の布地が足りなくなり、胸の方へ服地がとられることになります。ぐーっと着込んだような印象になります。首根っこをつかんで持ち上げたような印象とも言えます。

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見分けるポイントは以下です。

  1. ダブルを着ているような合わせの深さになる。
  2. 裾の開きが狭くなる。
  3. 背中、首周辺にに突きシワが出る。
  4. 腰の当たりに「逆ハ」字のシワが出る。
  5. 何もしなくてもベントが開く。
  6. 裾が平行にならず、背中に向かって上がる。

反身体の方は「反り身」とは言うものの、これは胸の筋肉が発達している方の全てにほぼ当てはまります。極端に言えばお相撲取り、ボディビルダーなどが典型的です。

ただ、そうでなくとも、スポーツなどで体を鍛えていたり、「同世代よりも筋肉が多い」との自覚を持たれている方は、往々にして反身体です。

体型とシワ2 - 屈身体の場合

屈身体は逆に、「胸囲に占める背中の長さの割合が大きい」ことになります。そのため、胸の布地が足りなくなり、背中の方へ服地がとられることになります。襟をつかんで下に引っ張ったような印象になります。襟首をつかんで上に持ち上げたような印象とも言えます。

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見分け方のポイントは以下です。

  1. 着物の抜き襟のように見える。
  2. 何もしなくとも合わせが勝手に開く。
  3. 裾が開きすぎる。
  4. 背中に「」字のシワが出る。
  5. 背中のベントが重なりすぎる。
  6. 裾が平行にならず、前に向かって下がる。

屈身体では、標準体よりも線の細い、筋肉の少ない方に多い体型です。姿勢が正しくても、筋肉が少ない方は、往々にして屈身体です。

厄介なのはインポート・ブランドです。西欧人の標準体は日本人の反身体ですから、インポートものを買った場合、ほとんどの方が身体に合いません。日本では標準体の方でも西欧人から見れば屈身体ですから、このようなシワや奇妙な印象が出ます。

ただ、芸能人、特にお笑い芸人の方で、このような身体に合っていないインポート・ブランドの服を身に着けているのをよく見ます。そのため、このようなシワや印象の出る方が正しいと思われている節もあります。しかし、それは巷に行き渡りつつある誤解で、西欧人が身につければ、そのようなシワは、当然出ません。

インポート・ブランドは高価ですから注意が必要です。なるべく体を鍛える必要があるという事になりますね。

2004.6.20