麻のシャツ
極めて薄い麻のシャツ
…新しい麻のシャツが欲しくなりました。良い麻のシャツは洗えば洗う程に白くなる上に、水に強く頑丈です。夏になると私はほとんど麻のシャツしか身につけませんので、何枚か持っているのですけれど、最も古い物で30年にもなります。かなり丈夫です。
そのため新たに購入する必要はまるで無いのですけれど、やっぱり時々、新しい物が欲しくなり、新調してしまいます。
この麻生地は、大変薄い上に麻繊維が細く、織も密になっています。かなり良い麻生地です。いわゆる高級品ですね。2.3.をご覧頂ければ、かなり薄い事がお分かり頂けると思います。少し腕が透けて見えますが、これは昨今のメッシュ状からくるものではないところが高級品の所以です。
この生地、着てみると非常に涼しく感じます。絹も吸湿性が高いですが、シャツでは肌に張り付いて少し気味が悪く感じます。この点、麻は張り付きません。着用感は半袖より涼しい!。このシャツ、なかなか悪くありません。
どうせなら遊んでみる
麻のシャツは色落ちしやすく、色柄を生地に持たせるのは難しいため、生成りか白が基本になります。ただ、私は既にシャツを何枚か持っていますので、そのままホワイトシャツを作ったのではやっぱり面白くありません。
そこでジャケットにカラーステッチを入れることも多いのですから、この際、シャツにもステッチを入れてみました。白のシャツに白のステッチを入れるのも、上品ですけれど、あえてカラーステッチを入れてみました。
襟も襟腰のないイタリアンカラー(1.)です。襟を開いて身につけるにはもってこいです。ちょっと工夫がありますので、ネクタイを締める事もできます。
工夫と言えば、3.の袖口の部分にもあります。通常、人の腕は棒状ではなく、手の方へと段々細くなっていきます。ジャケットが体に合う事を目標にするのなら、シャツだって体に合わせようとすれば、袖口は手の方へと向かって細くなければなりません。そのため、通常(a)では袖口が箱状、長方形になりますが、このシャツ(b)では手の方へ向かって袖口が細くなっています。
極々小さな工夫ですけれど、そういう小さな差異が重ねって、やっぱり服の着心地は良くなっていきます。…ステッチは全然、着心地には関係ありませんけれど。
高価なシャツは高くない
ところで、上記、私が30年間着ているものは、今の値段にすれば大体35,000円程度になる筈です。この薄い麻のシャツは若干それよりも弱いため、価格は28,000円です。
1年廃棄で10年 | 2年廃棄で10年 | |
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¥5,000のシャツ | 5,000 × 10 = ¥50,000 | 5,000 × 5 = ¥25,000 |
¥8,000のシャツ | 8,000 × 10 = ¥80,000 | 8,000 × 5 = ¥40,000 |
通常、量販店で手に入るものは、手頃なもので3,000円程度〜8,000円です。これを一般に1〜2年で廃棄することが多い様です。5,000円のものを1年で捨てて10年なら、10x5,000ですから50,000円になります。2年で捨てれば5x5,000で、25,000円になります。
シャツの2万円〜3万円のものは、10年間に限ってみても、これに比べれば高価ではないどころか、その期間、極めて肌触りが良く快適に過ごせます。ちなみに私の30年前のシャツは、まだまだ現役を退く様子はありません。やっぱり、大変安価だと、私は思ってしまいます。(ただこれは私が麻のシャツを数枚持っているためですから、もし1枚だけを毎日着たら、30年は持たないかもしれません)。
今年は出遅れてしまい、もうご用意することはできませんけれど、今までに私が見た中で最も良い麻生地、TOSCO社の麻生地を見つけることができました。私が30年着ているシャツ生地は、このTOSCO社のものです。サンプルや生地見本、価格表を送って頂ける事になりました。来年は最高の麻のシャツをお届けできるかもしれません。