フォーマル一覧表
フォーマルの原則
フォーマルの基本的ルールはさほど難しくはありません。考え方さえ知っていれば大丈夫です。フォーマルの個別のコーディネートなどの細部については別記を参照下さい。
礼服のきまり(昼夜の別)
礼服には昼夜の別があります。モーニング・コートおよび、略式モーニングのディレクターズ・スーツは昼間だけ身に付けます。対してタキシード(ブラック・タイ)およびテイル・コート(ホワイト・タイ)は夕方から夜間だけ身に付けます。ダーク・スーツは万能で、昼夜関係ありません。
礼服のきまり(上下の別)
モーニング・コート>ディレクターズ・スーツ>ダーク・スーツ
テイル・コート>タキシード>ダーク・スーツ
この順に上下の別があります。ですから主賓、主客と同等の服を、列席者などが身に付けることは慎まなければなりません。
状況についてのコメント
不祝儀:喪主
喪主は弔問客よりも格式の高い服を着るべきなのは論を待ちません。弔問客はダーク・スーツが一般的ですから、これよりも上の格式だとすれば、モーニング・コートかディレクターズ・スーツという事になりますね。しかし簡略に行う葬儀であれば、ブラック・スーツで構わないでしょう。ダーク・スーツはなるべくなら避けるべきです。
不祝儀:弔問客
弔問客は一般的にダーク・スーツで構いません。ブラック・スーツ(黒いスーツ)を着ている方が多いようですが、別段、黒でなければならぬという法はありません。しかし日本ではブラック・スーツが一般的ですから、ブラック・スーツを着ていれば妥当と言えるでしょう。ただダークスーツで良いとしても「黒いネクタイ、黒い靴下、黒い靴」は弔問客の必需品です。喪章は必要ありません。喪章は親族が付けるものであって、それ以外の人間が付けるのは間違いです。親族がいない社葬などでは付ける事もあり得るようです。
ところで葬儀を夜に行う事はないでしょうが、もし夜間の葬儀があるのなら、モーニングやディレクターズ・スーツは着てはいけません。
祝儀:午前中〜昼+高い格式:主催、主賓、ホスト
主催者側・ホストと言える人は、モーニングかディレクターズ・スーツを着た方が良いでしょう。特に主賓はホストへの儀礼を果たすためにモーニングであるべきです。婚礼では新郎の実父が、新婦の実父よりも高い格式を持つと言われていますが、この御時世、気にする必要はないでしょうね。
祝儀:午前中〜昼+簡 略:主催、主賓、ホスト
ダークスーツを着るべきです。主賓・主催・新郎新婦の実父よりも高い格式の服は厳に慎まねばなりません。ところでブラックスーツは不祝儀のための服です。黒いからとブラック・タイ(タキシード)と間違えてはいけません。
祝儀:夕方6時以降+高い格式
全てタキシードで大丈夫です。本来であればテイル・コートが最礼装ですが、現在はタキシードも同格と考えられています。(モーニングがフロック・コートと同格になったのと同じです)主催・主賓・列席者すべてこれで事足ります。
祝儀:夕方6時以降+簡略
全てダークスーツで事足ります。ただ格式によってはホストや主賓・主催は、タキシードを着た方が良い事もあります。
各礼服についての補足説明です。
モーニング・コート
現在の最礼装です。内閣の組閣時で雛壇に立つお偉方が着ていますね。名前の通り午前中〜昼間にかけて着ます。不祝儀・祝儀を問いません。一般量販店ではまず手に入りません。
ディレクターズ・スーツ
準礼装です。モーニングコートの略装です。ちなみにディレクターとは管理者、監督者など上級職の方々の事です。モーニングの略装ですから、着るべき時間帯は午前中〜昼間です。不祝儀・祝儀を問いません。コールパンツさえ手に入ればなんとかなります。
テイル・コート
最礼装です。いわゆる燕尾服として知られています。ツバメの尻尾のように背中が二つに別れているのが特徴です。だから Tail Coat(尻尾のコート)です。ちなみにモーニングも尻尾がついているのでTail Coat と呼ばれます。両者の違いは、前身衣がチョッキ状に割れているか否かにあります。オーケストラの指揮者などが着ているのをよく見かけますね。完全に夜会服で不祝儀には絶対に着てはいけません。ホワイト・タイ指定とはこれの事です。
タキシード
準礼装ですが、現在は最礼装と同格とされています。テイル・コートがホワイト・タイ指定と言われるのに対して、タキシードはブラック・タイ指定に当たります。
ダーク・スーツ
略装です。一般的な礼服です。祝儀・不祝儀、午前・昼・夜も問いません。万能ですが、最も略式で格式への要求は全く満たしません。