浅いVゾーンと顔の大きさ

浅いVゾーンと顔の大きさ

最近はやりのVゾーン(衿の空き)の浅く、衿の小さな紳士服ですが、当然の事ながら誰にでもあうと言うことはありません。誰にでもあう服というのは、恐らく世界一つまらない服でしょう。Vゾーンの深い浅いは顔の大きさと与える印象に影響します。

Vゾーンの長さと襟幅

図1

vzone1

図2

vzone2

右図1では左右でどちらの顔が大きく見えるでしょうか。恐らく右の方が大きく見えると思います。浅ければ顔が大きく見え、深ければ顔が小さく見えます。

また人に与える印象も変わってしまいます。左の深い方ではどっしりとした落ち着いた感じがします。右の浅い方では活動的な感じがします。(盛装では深く、軍服では浅いのは同じ理由でしょうね)

ではその下の図2のように衿の幅を変えるとどうなるでしょう。右図では左の襟幅が広い方は顔が小さく、右の襟幅の狭い方は顔が大きく見えると思います。同時に見え方も変わっています。衿幅の広い方が派手な感じに、狭い方はさっぱりとした感じになっていると思います。

顔の大きさの見え方とともに、印象も変わるわけですね。まとめるとちょうど、下の表のようになります。

広い襟幅 顔が小さく見える
派手な雰囲気
狭い襟幅 顔が大きく見える
さっぱりした感じ
深いVゾーン 顔が小さく見える
落ち着いた感じ
浅いVゾーン 顔が大きく見える
活動的な感じ

顔が大きい場合・・・

図3

vzone3

図4

vzone4

顔が一般的に人よりも大きな人は、Vゾーンを浅く、衿幅を狭く取った服を着てしまうと顔が更に大きく見えてしまい、人にアンバランスな感覚を与えてしまうことになりかねません。図3は同じ襟幅で顔の大きさが違う場合です。同じ襟幅でも、左の方が見栄えがします。

ですから図4のように、顔の丸い人がVゾーンを狭くする場合は衿幅を広く取れば良いことになります。顔の大きさに関して見栄えがしっくりきます。

ただ襟幅を広くする以上、さっぱりとした感じは失われてしまいます。このさっぱりした感じがないというのはかなり致命的ともなります。日本の夏は暑いですから、夏にこんな服を着られたら、見ている方が暑苦しくてかないません。

しかし、これで諦めれば仕立屋失格です。しかしちゃんと解決方法はあり、肩幅との関係で修正することができます(いつか機会があれば書いてみたいと思います)。

2004.8.18