色柄は周り次第
超挑戦的な色柄
とにかく派手
今年の夏は随分と早いようで、5月末にも関わらず、なんだかもう真夏のような暑さです。ということで、右のような洋服を作ってみました。
非常に安価な綿素材です。非常に挑戦的というか、超攻撃的な色柄です。「なぜ入れた?」と疑問が頭をぐるぐる回ります。縫製は下限の機械縫製、構造としてはシャツ・ジャケットです。
ただ、この色柄、それ自体は悪趣味だとか悪いもの、とは思っておらず、むしろ面白いんじゃないかと思っていたりします。色柄それ自体の善し悪し/バランスと、それを実際に着用した時の善し悪しは、実は別個の問題です。
周りとの兼ね合い
服地を見るとき、ともすれば「布の中の色柄」だけに注目してしまいます。特にオーダーの場合、生地の色柄を反物やサンプルとして見るので、これは当然/やむを得ないことでもあります。でも、実際に服を着用する時は、[周囲の環境[人と服[色柄]]] という風に色んなものに囲まれます。
色が他の色に囲まれてしまうと、同じ色でも全く印象が違います。たとえばこれはとても有名な錯視です。赤/青/黄、右も左も全く同じ色ですけれど、「赤」は「同じ赤」に見えるでしょうか。多分、見えないと思います。左の方がオレンジっぽく、右の方が黒っぽい赤。でも、本当は両方とも同じ色、小さい四角の赤と同じ赤です。
回り次第で"色それ自体"が違って見えてしまったり、印象が違ってしまったり、それ単体で見ても、実はあんまり意味がなかったりします。服は環境の中に置いた「一筆」のようなものなのかもしれません。
この攻撃的な服があう所はどんなところ
さざ波
さざ波 2
梢
この服
今までに何回か書いたような気がしますが、要は遠目に見れば良い訳です。3種類の画像の粒度を荒くしてみました。たとえば一番左のさざ波も、粒度を荒くするとその右隣のようになります。
要はこの服、色柄は派手なように見えますが、結局は、連続する色が似たような面積で繰り返しているに過ぎないため、自然界の配色に近いというだけに過ぎなかったりします。ということで、ジャケットを着ていく所、青と白ベースの色があるところ(たとえば池や湖)、自然界の配色の中に溶ける所、つまり「ゴルフ場」です。
ということで、近々ゴルフに着ていくことにします!。上記の「なぜ入れた?」は、お仕立ての目的ではなく「ものの試し」で手間やお金をかけてしまった反省というわけでした。…それにしても、こんな極端な柄、織ってしまうメーカーもメーカーです (褒めてます。
今回は久しぶりということで少し短めです。ようやく色んなことが一段落しまして、これから月1-2回更新の目標に戻れそうです。結局、1-2年掛かってしまいました。