淡い色のネクタイを合わせるには
中間色はシャツに溶ける
色環
淡い色のネクタイを目立たせるにはどうすれば良いかと、ご質問を頂きました。色の問題は複雑ですし、組み合わせが無数にありますので、極簡単に単色/2色の場合に限って書いてみました。
淡いネクタイを目立たせるに一番容易な方法は、まず補色の関係を使うことだと思います。補色は右の色環にある「反対側の色」です。青なら黄色、スカイブルーなら赤ですね。それと見落とし易いですけれども、「シャツ」が問題になって来ます。シャツの面積は意外に広いですから、シャツも大きな問題になってきます。
単色
淡いスカイブルーのネクタイを目立たせることを考えてみたいと思います。スカイブルーに合う色は、補色である赤、同系色である青、青の補色である黄色が考えられますが、ここではまず簡単に単色構成で「青」のみを使ってみたいと思います。
1.
2.
1.はジャケットが青に明度を下げた濃紺、シャツは青です。単色使いです。それに対して2.は一般的な白いシャツです。この1と2、どちらのネクタイが目立つかと言えば、微妙ではありますけれど、1.だと思われます。
Vゾーンが広ければ広い程、シャツの見える面積は大きくなります。そのため、シャツと同じ系統の色を使う場合、シャツの色にネクタイがとけ込んでしまいます。
中間色の場合、明度が上がる関係上、白(=無色)に近づきますので、2.はネクタイがシャツに溶けてしまいます。つまりネクタイを目立たせるには、ネクタイの側にあるシャツと明度の落差を大きくすれば良いと思います。
2色
3.
4.
今度は2色に増やしてみます。今度は淡い肌色のネクタイを使ってみます。黄色や肌色には青が一番目立ちますので、やっぱりジャケットは青のままにします。ただ実際に補色を使うのは、かなり難しいですので、なれない方はなるべく2色にとどめた方が良いと思います。
黄と青は補色の関係にあるため、もっとも目立つ色合わせです。それにも関わらず、やはり4.の白いシャツでは溶けて見えません。
3.の方はネクタイの近くに「明度の異なる補色」があるため、かなり目立ちます。上記1.と3.を見比べれば、お分かり頂けると思います。1.よりも3.の方が、淡い色のネクタイであっても目立っていると思います。
ジャケットと同じ色だと
5.
6.
今度は更に挑戦して、ネクタイとジャケットを「同じ色、同じ明度の肌色」にしてみます。同じ色ですから、ネクタイは完全に溶けてしまいそうです。
実際、白いシャツを使ってしまえば、何とも全体が寝ぼけてしまい、何がなんだか分かりません。ただ、逆にシャツが青い5.の方は、未だそれなりに見れませんでしょうか。
この場合、ネクタイがアクセントとして目立つというよりも、「シャツ」が非常に目立ちます。青と黄色は補色の関係になりますので、かなり映えます。これはこれで面白みがありますね。
これもやはり隣り合う色と色の重み(明度や色の違い方)が異なるためです。基本的に色の合わせ方は、この重みでバランスを取って行くという考え方になります。もしネクタイが淡ければ、その近隣の色、つまりシャツでバランスを取ると、なかなかまとまり易いと思います。