ネクタイ
ネクタイの基本用語
紳士服とは切っても切れないネクタイですが、種類、形状、生地素材、デザインと様々な種類があります。今回は、各部の名称と基本的な結び方のご紹介を。まずネクタイの各部名称について。
1 大剣 | ネクタイの太い方の剣先を大剣といいます。別名、エプロンとも言います。 |
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2 小剣 | ネクタイの細い方の剣先を小剣といいます。 tip チップと言うこともあります。 |
3 チッピング | 大剣、小剣の裏側の先端部にみえる裏地をチッピング tipping と言います。facing とも言うことがあります。 |
4 かんぬき留め | bar tack, バータックとも言います。芯地を固定するために施された太いステッチのことを指します。右の写真では赤いステッチのことですね。おおむね大剣、小剣の先端から12〜14cmの所にあります。 |
5 バイアス | ネクタイの生地をご覧になると、斜線が入ったような生地が多いと思います。このような斜の綾織りのことをバイアス, bias と言います。特にネクタイでは45度の正バイアスです。この生地が使われる最大の理由は「ほどきやすい」からですね。 |
6 芯 | 当然、表からは見えませんが、ネクタイにも芯があります。そのネクタイの芯を指してインター・ライニング, inter-liningと言います。 |
結び方
ネクタイの結び方にもいろいろあるのですが、しばしば使われる結び方を4つ取り上げてみました。画像をクリックすると絵が拡大します。なぜ4つなのか、・・・絵を描くのに精根を使い果たしてしまったからというのは内緒です。
プレーン・ノット
フォア・イン・ハンド(four-in-hand)とも言います。4 頭立て馬車(four-in-hand)の御者が首にまいた布にちなみます。ほとんど全ての方がこの結び方をしているように思います。最も基本的で簡単な結び方とされています。
ただ日本人も最近は背が高くなってきておりますが、大体においてプレーン・ノットでは、ネクタイが長くなりすぎるきらいがあります。ときおり、ズボンのチャック付近まで下がっている方が見えますけれども、これでは長過ぎます。
左右対称の奇麗な三角形になりにくく、また最近のクラシコ・スタイルでは結び目が小さすぎて今ひとつバランスが悪いです。なるべく柔らかく結ぶか、この際、ウィンザーかセミウィンザー・ノットを覚えてはいかがでしょうか。
ウィンザー・ノット
ウィンザー公の創案といわれていますが、定かではありません。(「家族のアルバム」という公の回顧録では否定されているようです wikipedia) ウィンザー公は1936 年にエドワード 8 世として英国王として即位しましたが,離婚歴のあるアメリカ人シンプソン夫人との結婚を決意し同年退位しています。
少し結びにくいかもしれませんが、左右均等になりやすく、Vゾーンの浅い服にはよく映えます。ただ、この結び方はネクタイの長さがどうしても短くなりますから、Vゾーンの深い服ではバランスを崩しやすいところがあります。
セミ・ウィンザー・ノット
名前の通り、ウィンザー・ノットの手順を一つ省いています。結び目がプレーンよりは大きく、ウィンザーよりも小さくなり、ネクタイの長さも長くなります。また、意外に簡単に左右対称になりやすいです (米国エスカイアという雑誌が提唱したとしてエスカイア・ノットとも呼ばれるようです)。
ダブル・ノット
プレーン・ノットの変形です。プレーンでは1回だけ巻くところを二回巻くのでダブル・ノット。二度巻くわりには大きくなりません。