合う色と合わない色2
トーン色
トーン色
無謀の続きです。こうなったら恥を忘れて続けてしまいます。前回は明度100%の色を使いましたから、紳士服ではあまり使われず、主に婦人服やカジュアルに多い色使いです。しかし主に原則的な色の考え方を書きました。今回は紳士服に多いと思われるトーン色を使って書いてみます。
トーン色とは明度を下げる、つまり黒を交えた色です。今回は前回のものと比べて明度を30%程落としてあります。まだ明るい位ですが、これであれば紳士服に使われそうです。この場合、全体的にくすんだ重い色合いがベースカラーになります。しかし前回の原則はここでも通用し、ベースカラーを作って、補色をアクセントに使えば、やはり映えます。
下に簡単な模式図を書いてみました。1は同じ明度の補色関係、2はアクセントの明度を上げた場合、3はアクセントの部分を同じ色で明度だけを上げたものです。
1
2
3
1の場合、補色関係にありますが同じ明度です。アクセントとなる補色も暗くなり、全体として重い感じになります。
2のように明度を上げた補色を使えばより強調されることになります。
3の様に同色同士でも明度を上げればアクセントになり得ます。
このようにアクセントと言うのは、目立たさせて面白くする要素が強いため、2の様にいかに目立たせるかという考え方になります。或は3のようにベースカラーを守って、落ち着いた色の構成をとりながら、大人しく目立たせるという考え方も十分にできます。
英米のイラク攻撃に先立って、英ブレア首相、米ブッシュ大統領、スペイン・アスナール首相が会談を行った時、図らずも全員が3の構成をとっていました。彼等には間違いなく専属のコーディネーターがついていますから、なぜ3の構成をとったのか、いろいろ面白く考えさせられました。