髪の色、瞳の色、肌の色
肌の色
Zegna, '02 Summer
前に書きましたように、今回はなぜ外国人の服の着こなしが、日本人に合うとは限らないかを書いてみます。誤解が多いのですが「顔が良いから」というのはあまり大きな理由ではありません。全てはバランスによるところが大きく、その中で肌の色が一番大きいのです。
左側の写真(Zegna, '02 Summer)にはイタリア人が写っています。非常にスマートな着こなしです。この方の肌は日本人にも少し似たブルネット(褐色)と呼ばれる肌と髪の配色です。このままでは、何が一番大きな問題になっているのかはっきりしませんから色を単純化してみます。
右側になると肌の色も含めた服全体の配色バランスが良いことが一目瞭然です。肌と髪の色に服の色があっているわけです。赤に比べて弱い白を大きく取っています。
もっと白/黒かったら
では肌の黒い人や、肌の白い人ならどうなるでしょう。顔の色に少し細工して見ました。白人の方は全体として間が抜けた感じがしませんか?。まだブラックアフリカンの様に肌も髪も真っ黒であれば、大分ましです。
左の肌の白い方は、まるで下に寝間着でも着ている感じになります。パンツは意外に人の目を引くため、ズボンもシャツも顔も白いとなると、赤が弱くなりすぎ、間延びしてしまうわけです。
右の肌の黒い方ではサックスでも持っていればジャズマンと言った感じですね。しかしそれでも、肌が褐色の時ほどは決まりません。
この様に肌の色というのは色彩のバランスにおいて決して無視することは出来ないわけです。服を選ぶ際、サンプルとは全く違ったイメージになってしまってがっかりすることになるのはこのためです。ですから通信販売紙では日本人をモデルにしたものが多いわけですね。
イタリア人は服飾センスに関しては卓抜したものを持っていますが、彼らの服に関する冒険心と、「トータルバランス」の考慮のたまものといえるでしょう。バランスを考えないとどんなに良い服でも服が歩いている状態になってしまいます。
長くなりましたので、また次回に、この話題を続けたいと思います。