海島綿

海島綿はどんな綿

海島綿とは西インド諸島(中南米)のみに産する綿の最高級品です。エリザベス一世が愛用したことから英国王室御用達で、イギリス紳士のステイタス・シンボルに。007の設定ではジェームズ・ボンドの愛用品ということになっています。綿の宝石、Queen of Cotton 綿の女王とも呼ばれています。

大航海時代の当時、西インド諸島から南アメリカを支配していたのはスペインでした。このスペイン無敵艦隊を破ったのがエリザベス一世の命を受けたドレイク船長。このドレイク船長という人物は、スペイン植民地であった中南米を襲撃し、海賊行為を繰り返したために女王からナイトの称号を与えられたという人物です。スペインが中南米を侵略し、その侵略行為の上前をはねる海賊行為の繰り返しによって支配権を確立します。そのため、イギリスと海島綿の関係が深いのかもしれません。

海東綿の特徴は、極めて細くて長い繊維と、絹のような光沢にあります。綿で強い光沢があれば、それはおそらく海島綿でしょう。女性の方が、「良い綿のシャツを買った」と言われる時は、大体この海島綿であることが多いようです。女性の方は良い物を良くご存じで、「どうしてたかが綿のシャツがそんなに高いんだ」という旦那さん方のお怒りの原因は、こういう所にあったりします。(旦那さんのシャツは1000円だったりするのに)。ただ女性の方々も、実はそういう綿が海島綿という名であるとは意外に知らなかったりもします。もっとも本物の海島綿であれば、商標を記載したタグ(島の絵が描いてあります)がついていますから、一目瞭然です。

綿ですから吸湿性が非常に高く、汗を良く吸います。勿論、このために非常に涼しくなります。ですからスポーツに最適です。しかし今回ポロシャツをお譲りさせて頂いたS様に言わせると、余りの快適さに「ゴルフ何ぞに着るのは勿体ない」とのことで、ゴルフの行き帰りに来ておられるようです。また海島綿と言えども、あくまで「綿」ですから、そんなに長く持つことはありません。綿にしては非常に強いですが、あくまで綿です。丁寧に着なければ、すぐに緩んできてしまいます。

ところで一般的な価格ですが、普通はシャツなどで販売されています。このシャツ一枚が、おおむね市価¥25,000〜¥35,000で流通しているようです。ジャケットやスーツにすると高価になりすぎるきらいがあります。

件のポロシャツは、たまたま¥15,000でお譲りできましたが、残念ながらそういう事は滅多にありません。第一、この海島綿は世界中で評価が高いですから、その値段は「世界中がデフレにならないと」、恐らく下がらないでしょう。また、今の日本の国情では、ますます値段が高くなっていく可能性すらあります。

紳士向けは数もあまり出ませんからお近くの専門店やテーラーで、網を張っておかれることをお勧めします。百貨店でも品ぞろえはほとんど貧弱です。しかし、もし手に入ったなら、値段以上の快適さを楽しめること、間違いなしです。

海島綿の詳しい性質

海島綿の詳しい由来や特性は、西印度諸島海島綿協会をご覧になってください。